山口天神祭とは
古熊神社の例祭である山口天神祭は、山口の三大まつりに数えられ、
盛大に行われています。
祭事の意義
山口天神祭とは、古熊神社の御神幸祭及び例祭、そしてそれに付随する様々な祭典の総称です。応安6年(1373)の御鎮座以来続けられており、約650年の伝統があります。
まず御神幸祭(ごじんこうさい)とは、普段お宮の外に出ることが出来ない神さまが、年に一度お神輿や御所車にお載りになり、直接街の様子をご覧になられる神事のことで、全国の神社にて行われています。神さまは我々人間と同じく旅行がお好きです。その為に神職や地域住民皆で神さまのお供をし、神さまに喜んで頂く。人間が神さまに出来る最高のおもてなしの神事といえるでしょう。
次に例祭(れいさい)とは、各神社にとって年間で一番格式の高い祭典のことで、各神社それぞれの由緒の深い日(鎮座日や御祭神の御誕生日・御命日など)に行われます。
古熊神社では、まず11月23日に御神幸祭を行い、天神さまにお喜び頂くために様々な祭事、行事を行います。そして2日後の11月25日例祭を斎行し、一年間の無事や五穀豊穣であったことの感謝を申し上げます。
また、山口天神祭には神役と呼ばれる、一般市民を代表して4名の方に、祭典をご奉仕して頂きます。
その為の準備期間として、11月17日より神事が始まるため、17日から25日までの約一週間の神事を、山口天神祭と総称致します。
祭典の流れ
11月22日 花神子式
御神前に一夜酒を供える花神子
11月23日 御神幸祭
御網代車を御本殿まで曳き上げる様子
11月25日 例 祭
山口天神祭は、おおむね以下の流れで行われます。
11月17日 神役初参式(しんやくはつまいりしき)※非公開
前年の神役4名と、その年の神役4名が神前に参列し、新旧の引き継ぎの意味を込めて盃を交わす。その後、御祭神の御分霊をお祭りした若宮を神役に渡し、一週間の斎戒(さいかい:祭典に向けて気持ちを穏やかにするため、慎ましい生活を送ること)に入る。
11月18日 若宮祭(わかみやさい)※非公開
4軒の各神役宅にお祭りされた若宮の前にて祭典を行い、御神幸祭の無事と家庭の平安を祈る神事。
11月22日 花神子式(はなみこしき)・湯断神事(ゆたてしんじ)※非公開
御神幸祭の前夜祭として、御祭神に神役の一人花神子が一夜酒と黄白の菊の花をお供えする。
そして夜が更けたのち、祓いの神事である湯断神事を行い、社殿や御網代車、そして翌日の御神幸道中を祓い清め、浄闇の中御祭神の御神霊を御網代車にお遷しする。
11月23日 御神幸祭(ごじんこうさい) 午後1時~午後4時
一般的に山口天神祭と呼ばれている、山口三大まつりのひとつ。御網代車に載られた天神さまが、直接山口の街の様子をご覧になられる。
また、江戸時代までは毛利氏が参勤交代のため萩から山口に来られた際、当社の御神幸行列を迎え、警護をされていた。その故事に則り、参勤交代の行列を模した神役や備立行列などは、古熊神社ではなく八坂神社から出立し、途中札の辻(大市町にある萩往還と石見街道の合流点、古くは山口の中心地として札が建てられていた)にて、天神さまの御神幸行列を奉迎、そこから合流し約300名の大行列が山口の中心部を練り歩く。
11月25日 例 祭(れいさい) 午前11時
年間で一番格式の高い祭典。九品(ここのしな)と呼ばれる熟饌(じゅくせん:調理をしたお供えもの)をお供えし、一年の無事と五穀豊穣を感謝申し上げ、今後益々山口の街が栄えますよう祈り、山口天神祭の結びとする。
因みに、九品とは根のもの(根菜)・葉のもの(葉の野菜)・成りのもの(果物)をそれぞれ三つずつ、計九品を高坏に載せてお供えする。九という数字より上の数字はないことから、これ以上ない喜びを表している。