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すがぬけの輪奉製

古熊神社節分祭の古式「すがぬけの輪」を奉製致しました。



すがぬけの輪とは、茅(ちがや)で作った輪にオニカズラを巻き付けたもので、古熊神社の節分祭の時に境内に設置し、参拝者の方が八の字にくぐることで、旧年中に降り積もった罪や穢れ(けがれ)を祓い清め、新しい年を迎えようとする当社独自の古式です。


茅もオニカズラも境内に生えているものを使い、丁寧に奉製していきます。



備立行列保存会の皆さまの協力も得て、午前中には完成致しました。


実際にくぐることが出来るのは、2月3日午前8時のお祓いが済んでからです。


すがぬけの輪は、6月30日に行う夏越大祓の「茅の輪」と対になるものです。夏越の茅の輪は一年の半分を過ぎるため、そして節分のすがぬけの輪は新しい年を迎える(2月4日立春を旧正月と捉える)ため、それぞれの時に輪をくぐり降り積もった罪や穢れをお祓いするのです。


夏越大祓の茅の輪

ここでお祓いする罪や穢れについて、少しご説明させていただきます。

罪や穢れと聞くとあまり馴染みが無いもの、もしくは祟りなどの怖いものを想像するかもしれません。しかし本当はもっと身近で、我々もよく思い当たることを「罪」や「穢れ」と言います。


まずについてですが、その起源は遠く神さまの時代にまでさかのぼります。ある時、素戔嗚尊(スサノオノミコト:八坂神社の神さま)は、姉である天照大御神(アマテラスオオミカミ:伊勢神宮の神さま)に占いで勝利し、その喜びの勢いに乗じて天照大御神さまの田んぼや住まいを滅茶苦茶にしてしまいます。その際に行った乱暴な振る舞いを総じて「罪」と云います。つまり罪とは、自分の気持ちの趣くままに事を行い、周りに迷惑を掛ける「わがまま」な気持ちといえましょう。



次に穢れとは、日常を送る上で気になること、嫌なことが積み重なり、何をするにも元気がなくなっていくことを云います。穢れの「ケ」とは日常のこと、「ハレ」の日とは逆のことを指し、その日常生活が「枯れ」ていくので「ケガレ」というのです。


わがままな気持ちや、気になることが多すぎて元気がなくなることは、普通に生活していれば当然起こりうることです。

仕方のないことですが、そのままにしていればどんどん気力が衰えていきます。であれば、新しい年を迎えるめでたい時、または上半期が終わる6月30日に、氏神さまにお参りしてお祓いしてもらおう。そして再び元気になって、新年もしくは夏を過ごしていこう。それが節分や夏越の際に罪穢れをお祓いする由縁です。


どうぞ節分には氏神さまをお参りいただき、新しい春を元気な気持ちでお迎えしましょう。

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