日本には四季がある。
よく聞くことばですが、それをさらに細かく72個の季節にわけたものがあることをご存知でしょうか?
それが七十二候(しちじゅうにこう)とよばれるものです。
七十二候は四季をそれぞれ18個にわけ、約5日ごとにかわっていきます。
名称も気候や動植物の変化をえがいた短文になっていて、とても親しみやすくなっています。
今日はそんな七十二候のうちのひとつ、「魚上氷(うおこおりをいずる)」という季節になった日です。
お昼は暖かくなったとはいえ、朝晩はまだまだ冷え込みます。
山口では毎朝氷点下、車の窓をとかすのにもひと苦労です。
冷えたり暖かくなったり、川の氷もだんだんと割れはじめ、そのすき間から魚が顔をのぞかせる。
なかなか見ない光景ですが、この時期にぴったりの言葉ですね。
さて魚といえば、日本人にとっても、そして神さまのとっても身近な存在。
よく食卓にならびますし、神さまへのお食事としてもよくお供えします。
食事は生きるためにはかかせないもの。
でもそれ以上に、われわれの生活や思い出を彩ってくれるものでもあります。
日々の和やかな食事、お誕生日などのお祝いときにいただく大好物、旅先でのおいしい名産品。
思い出にはいつも楽しいごはんの光景があります。
おなじように神さまに対しても、日々のお食事のほかに、特別なときには特別な食べ物をお出しします。
お酒をはじめ野菜や海藻・鶏肉など、大きなお祭りの日の神さまの前には、バラエティ豊かなお供えがいっぱい。
そしてそのひとつには当然お魚も。
鯛や鮭、アユや鯉など旬のお魚がお供えされます。
当社では1月25日の初天神のときには、旬のキンタロウがお供えされます。
小さくてかわいらしい姿は、古い山口のおまつりの姿を今に伝えててほほえましいです。
皆さまにとって神さまにお供えを準備する身近な機会といえば、地鎮祭などでしょうか。
お魚をご準備されるときは、新鮮で旬なものをえらんでいただけたら、神さまもよろこばれると思いますよ。
釣り好きの方なら、前日にみずからが釣ったものでもよいですね。
お供えしたあとは、持ち帰って家族みんなでいただきましょう。
一尾まるまるは食べられない場合は、
切り身を冷凍してゆっくりいただかれても大丈夫です。
我が家では最近、お供えの鯛をお刺身で食べきれないときには、
しゃぶしゃぶにしていただいています。笑
皆さまもお試しください。
お供えを笑顔でいただかれる光景に、神さまもきっとほほえまれると思います。