神 役
山口天神祭には一般市民を代表して、神役と呼ばれる4名が祭典に奉仕致します。
神役とは
山口天神祭にご奉仕される一般市民4名の方々のことを、神役(しんやく)と呼びます。このお役目は一年ごとに交代し、年ごとに新しい神役の方々がご奉仕されています。
まず大拝司(だいはいし)と小拝司(しょうはいし)という神役は、元々周防国の国司と重臣が担っていました。また江戸時代に入ると、当時長州藩を治めていた毛利氏が参勤交代のため萩から山口、または防府から山口に来られた際、当社の御神幸行列を奉迎し、途中まで警護をしておられました。
明治維新により参勤交代が無くなったため、山口市民の代表がこの役目を引き継ぎ、神役として御神幸行列の奉迎、そして警護を行うこととなりました。
また、行列の先頭を行く御先乗(おさきのり)、天神さまのお心をお慰めする花神子(はなみこ)は、市内の童男・童女が務め、大人お二人と子供お二人による神役4名となります。
各神役
大 拝 司
大拝司(だいはいし)は山口天神祭の一切を取り仕切るお役目です。古くは周防国の国司(現在の県知事に相当)が担っていました。
馬上の大拝司は竿衣(さおぎぬ)と呼ばれる、長い竿が左右に突き出た装束を着けています。
これは道真公が御左遷により防府の港に着かれた際、当時周防国国司であった土師信貞(はじのぶさだ)は急いでお迎えに参上しました。その時慌て過ぎたため、物干し竿に掛かったままの装束をつけてきてしまい、その姿に道真公は微笑まれた、という故事に基づいています。
小 拝 司
小拝司(しょうはいし)は大拝司を補佐し、大拝司に事が有った時はその代わりを務める役目です。古くは周防国の重臣が務めていました。
行列の道中では天神さまをお載せする御網代車の前を行き、正しく警護役として沿道の参拝者の襟を正し、いよいよ御祭神がお通りになられる合図をいたします。
御 先 乗
御先乗(おさきのり)は行列の先頭を行き、露払いを行う役目です。
この役目は山口の小学生男児が担い、元気で活発なその姿に、沿道の見物の方々からも大きな声援が送られます。
花 神 子
花神子(はなみこ)は御神幸行列の最後尾にて、御所車に載り見物客の心を晴れやかにします。
また前夜祭では、天神さまに一夜酒と黄白の菊の花をお供えし、御神幸祭の無事安全を祈る大役を務めます。
そして両脇に仕える二人の童女は、神酒官女(みきかんじょ)と菊官女(きくかんじょ)といい、花神子とともに祭典にご奉仕いたします。